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2010年02月21日

農業と教育における,足し算と引き算

じゃがいもを掘ってきました.

大地の栄養を十分に吸収した,まるまるとしたじゃがいもが,
ひっくり返した土の中から,コロコロと顔をのぞかせます.
そんないもたちを見ていると,
ほくほくと優しい気持ちになるのです.

農業と教育における,足し算と引き算

そのときに,僕の師匠から,農業には「足し算の農業」と「引き算の農業」があると教えて頂きました.

「足し算の農業」では,作物が育つために良いと思うものを生産者の都合でどんどん与えるのに対し,
「引き算の農業」では,作物が育つ力を信頼し,土作りと必要なときのサポート以外のいらない手出しは一切しないのだそうです.

この二つの間にある決定的な違いは,なんでしょう.
それは,植物に対する「信頼」です.

足し算の農業には,「ちょっと危なっかしいなぁ」という怖れがあり,
引き算の農業には,その怖れがありません.

この農業における図式は教育にもそのまま当てはまるような気がします.
大人が子供に必要と考えるものを与える「足し算の教育」と
子供の育つ力を信頼した「引き算の教育」です.
「足し算の教育」には怖れがあり,
「引き算の教育」には怖れがありません.

愛とは,怖れを手放すこと

ジェラルド・G. ジャンポルスキーさんの名著が示すように,
怖れを手放すことが愛ならば,
本当の意味で愛のある「引き算の農業」や「引き算の教育」が,
これからの時代を作っていくのではないでしょうか.



Posted by makomako at 23:46│Comments(2)
この記事へのコメント
いいお話です。しかし、今日までの世は、足し算どころか、掛け算も所々に入っている!環境も農(食)も、そして教育の問題も、袋小路に入って、色々な試みがされているけれども動きが取れないってのが現状ではないでしょうか!100年掛ってなされたものは、やはり100年かけてゆっくりと引き算しながら修復されていくのだろうと、最近つくづく思っているのですが!
Posted by 井村泰三 at 2010年02月22日 12:29
井村さん

コメントありがとうございます.

井村さんのおっしゃる通りで,きっと,僕たちが慣れ親しんだシステムがいきなり変わるということは無いでしょうね.

草の根的な活動が少しずつ成果を実らせ,認知度を上げてゆくという形で,「引き算」の教育や農業がゆっくりと社会に受け入れられていくのではないかと思っています.

この過程では,ひとりひとりが自分の内面にある怖れを手放していくことになるので,とてもゆっくりした変化となるのでしょうね.

ただ,この変化の兆しは,最近,社会の至る所に見てとれるので,「少しずつ良くなっているなぁ」と,個人的には結構ワクワクしていたりします.
Posted by makomakomakomako at 2010年02月23日 02:15
 
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